仏教×AIの融合 – GPT-4搭載のAI僧侶問答をリリース。hasunohaの未来予想

hasunoha

1億総AIプロデューサー時代がやってきた

GPT-4搭載のAI僧侶問答をリリースしました

https://hasunoha.jp/ai/q/new

このたび、AI僧侶問答をリリースしました。相談をすると、AI僧侶が2分で回答をくれるというものです。この機能を実装した背景、目的、そして今後のhasunohaの展望などをご紹介します。

2023年はAI革命元年だと、後になって言われるかも知れません。OpenAI社が2022年11月に公開したChatGPTの利用者は2か月で利用者が1億人を超える大騒ぎになっています。

AIで淘汰される仕事なんてのが前から取り沙汰されていましたが、一気にそれが目の前まで来ている感すらあります。私自身、実際ChatGPTを使ってクレームへの謝罪メールを書いてもらったことがありますが、自分の書いた文章をさらに丁寧にまるで心があるかのような謝罪文に、これはすごいことが起こっているぞと肌で感じていました。

それから数か月、ちょっと目を離した隙にもどんどん進化しています。

質問制限に泣く7年。AIが回答を補完できないものか

お陰様でhasunohaは多くの方に支えられております。2016年のメディアで紹介されて以降質問が殺到し、お坊さんの回答が追い付かず1時間に1回程度しか質問できない状況が7年も続いています。数年前から、AIにhasunohaの回答を学習させてシンプルな相談はAI回答が補完できないかとずっと思っていました。

そしてここにきてChatGPTが表れて一気に実現性を帯びてきました。すぐに検証に入りました。

最初のバージョンはChatGPT3.5というもの。確かにすごいのだけど、いろいろな相談を投げかけてもAIからは画一的な返答が返ってくる印象。ちょっとテンプレのようなもので、まだお坊さん回答の補完としての実用には難しいなと感じました。

しかしその後、矢継ぎ早にバージョンアップがされていきます。テキストだけでなく画像生成、シナリオ構築、パワーポイントや動画の作成まで。どんどん変わっていくAIの技術革新。

3.5からたった数か月後にGPT-4が発表されます。試してみたら格段に性能が上がっている!これを使いたいとhasunohaへの組み込みを始めました。

そこからいろいろな検証やリスク調査を行い(中略)、ようやく今回リリースにこぎつけることができました。

心を持たないAIが苦しみに向き合う挑戦

独自性を出すために、hasunohaの数万件のお坊さん回答を解析し、それもAI回答に反映させようともしたのですが費用がかかりすぎるのと、まだそこまで実用的でなかったので今回のリリースでは見送りました。

しかし、10年間のhasunoha運営で蓄積されたノウハウはあります。相談者にどのように向き合っていけばよいのか回答僧が10年で示してくれたものを今回反映しました。心を持たないAIが苦しむ人にどう寄り添い、どこまで勇気づけられるのか。そこに挑戦する意義は大いにあると感じています。

3人の「回答僧」を用意

GPT-4の回答は格段によくなっているものの、丁寧すぎるというか、いい子ちゃんすぎて何かの解説を読んでいる印象です。もっと人間臭さが欲しいと思いブレストしているときに、

どうせなら僧侶と真逆のダメ出ししまくるボコボコ相談室みたいなのってどうなんだろう?喝が欲しいという相談者も一定数いるしな。

ということで出てきたのが元ヤン僧侶です。試してみたら案外いい感じ!表現はきついけどガツンとやられることもなくなった令和に敢えてこういうのもあっていいだろうと登場してもらいました。

AIはきっかけ。本物のお坊さんとご縁を深めて

AI回答を入れることで、できなかった相談を少し補完できるようになります。完ぺきではないけど仏教のさわりだけでも知って、

「仏教ってこんなふうに捉えるのか~。もう少し話してみたいな」と本物のお坊さんに相談する。

そんな流れを作っていければと考えています。

人類はもうAIを切り離して生きていけなくなると思います。ならば、AIをきっかけに仏教的な価値観を感じてもらい、本物のお坊さんや仏教に興味をもってもらい、より幸せな人生を送るヒントを得る。そのようにAIを使っていければと考えています。

【プレスリリース】仏教×AIの融合-hasunoha(ハスノハ)がAI僧侶問答をリリース

AIで広がるhasunohaの世界

この記事を書いている間にもGPT-4 Turboというバージョンアップが発表されました。これからもどんどんキャッチアップしていきます。

「AIが回答する」以外にもアイデア次第で様々なことが可能になるでしょう。これからどんな世界が待っているのか全くわからなくない、無限の広がりを感じますね!

これを機に、hasunohaやお坊さん、カウンセリングの今後の世界を妄想してみました。

お坊さんの回答が格段に早くなる!?

hasunohaのお坊さんの回答には、人を救いたいと願う生の声、生の文章、魂の叫びが込められています。回答が1,000、2,000と蓄積されていくと、AIがそれを解析できるようになるはずです。

今までの回答の蓄積が多いほど解析精度は増していきます。

回答僧毎に、文章の構成、向き合い方、文頭末尾や語尾の使い方、内容の方向性、宗派の特徴、地域特性など傾向を学習して、その回答僧に近い表現で魂のこもった新しい相談の回答案を作成することもできるでしょう。

それを回答僧自身が確認して、修正を加えて最終的に人間僧侶の回答にする。お坊さんが自分で回答の構成を練って、文章に起こして打ち込む時間が大幅に短縮されます。

仏教用語やお経の一節を取り出して、回答に含めるようにAIに指示することもできる。AI秘書の助けを得て、より早く、より深く人々に向き合えるようになるでしょう。

日本のお坊さんの言葉が世界に広がる!?

回答をそのまま他言語に翻訳することはAIの得意とするところ。英語、中国語、スペイン語、フランス語、韓国語、ロシア語。世界中の人が日本の仏教僧侶の生のことばを自国の言葉で理解できるようになります。2015年に妄想したことがより近い妄想になってきました。

【2015年の妄想】世界中の仏教僧侶が悩みに応えてくれるサイト

私は、日本人は素晴らしいと思っています。震災でみんなが譲り合い、助け合う姿に世界は驚愕しました。

なぜそんなことができるのだ!?

日本では財布を無くしても自分の元に帰ってくる。

なぜだ?

日本独特の美徳には、日本の宗教が深くかかわっています。神道も仏教もそう。日本の仏教僧侶の言葉は世界で悩み苦しむ人々をも救うと真面目に思っています。
時間と場所と言語を超えて、苦しむ誰かに声が届く。これはすごいことですね。

音声と映像が一瞬でできあがる

できあがったテキストの回答はAIで音声化も簡単にできます。回答者の声も学習すれば、回答者の声でそのテキストを読み上げることもできるでしょう。

悩みをテキストで書くと、お坊さんの回答文から音声、映像が生成され、お寺の本堂やまわりの自然の映像と、心安らぐ音楽に乗ってお坊さんが語りかけてくれるように回答してくれる。

このお坊さんと話したい!と思えば、時間調整はAIがしてくれて、ボタンひとつでお互い映像を映してオンラインでお話ができる。

ここまで近づけば、お寺に実際に会いにいきたい!と思う場面も増えてくることでしょう。

相談履歴から幸せの方向を導いてくれる

hasunohaで相談を繰り返すことで、気持ちが改善してきたとお知らせしてくれる相談者の方も多くいます。今まではそれが感覚的だったのですが、AIによって過去の相談と回答、お礼を解析して、AIがアドバイスをくれることも可能になるのではと思っています。

客観的な分析により、相談者とお坊さんがよりコミュケーションを深めていけることを期待しています。

相談者数が多いほど、悩みとそれを克服できる傾向をAIが検証して、相談者ごとに何らかの幸福仏教モデルを提供できるのではと妄想しています。

未来型hasunoha

AIは多方面に進化しています。気づいたらhasunohaは、メガネのような薄いVRゴーグルをつけて、幻想的な未来のお寺や1500年前の歴史あるお堂の中で温かいお坊さんに包まれて、一緒に瞑想したり語り合ったり、苦しむ人に人生の救いを提供しているかもしれません。

AIによってお坊さんと相談者は距離と時間と言語の制約から解放されました。どこに住んでいようが人生にずっと寄り添ってくれる。生まれた地域によってお寺や宗派が決められることはない。自分が信じるに値するお坊さんをどこに住んでいようが自分で決めて信仰できる。

そんな時代が来るかもしれません。

一億総AIプロデューサー時代

嫌でもAIと共存する世界はもう来ています。半年、1年後にはさらに強く実感せざるを得ないかもしれない。それくらい変化のスピードははやいです。

これはもう革命である。

「AIで楽して稼ぐ方法10選!」みたいな動画が散乱している。楽して稼ぐのもいいが、なにかもっと壮大なことができるはずです。

AIをどう使うかです。智慧をしぼり、自分は何をしたいのか、社会はどうあるべきなのか。それにAIをどう活用できるのか。自分のアイデアとプロデュース力次第なのです。

一億総AIプロデューサーになる日は既にきています。

閉塞した日本。幸せになる予感がしない日本。死にたいくらいつらい日本。なんのために生きているのかわからない日本。

苦しむ人は圧倒的に多い。志ある人による支援の手は限りなく少なかった。しかしAIはそれを補完してあまりない。

苦しみを受け止める大きな間口になれるのです。

これは人類にとって大いなる挑戦である。こんな楽しい時代に生きているのだと久々にワクワクしているんです。

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