ゼロから始めて質問が来るのか、回答者は集まるのか
世の中にQ&Aサイトは山ほどあります。検索したら便利な情報などいくらでもでてくるのに、お坊さんに質問するという異色なサービスが世の中に受け入れられるのか
リリース後しばらく
2012年11月19日にリリースしたとき、共同代表の井上さんが自身のfacebookでhasunohaという新しいサービスをはじめたことを投稿してくれました。かなりの「いいね!」がついて、サービスが世に出たことを嬉しく思い、世の中に何かを生み出すという責任感をひしひしと感じました。
あらかじめ知人に悩みごとを聞きまくって入れておいた質問が10個。それにお坊さんが既に答えをいれてくれた状態でスタートです。最初の回答者はたったの5人
さあ始まるぞ。両手を広げて待っていたところ
質問が来るわけない
個人サービスでブランドもなく、プレスリリースも宣伝もせず、ひっそりとはじまったサイトに質問してくるような奇特な人はいるわけもなく。今思うと当たり前ですが。1日のアクセスも自分たちを入れて10とかそんなレベルでした。
サービスリリースの前に、まわりにこのサイトのことを聞いてさんざんな評価だったことが頭によぎりました。
一般の人からは、「お坊さんに質問?しないでしょ。想像つかない。」お坊さんからは、「ネットで回答?そんなリスク取れないよ。」
しばらくは応援してくれそうな知人を頼って質問してもらうことが続きました。
他人から見たらどうってことないことでも、当事者は一喜一憂の日々。朝起きて質問が来ていないと、ため息と無力感で絶望します。そんなときは、大手Q&Aサイトの発言小町が「リリース当初、1日数件も質問が来ずサイトを閉じようと思った」という記事を思い出して自分を励ましていました。
はじめての質問
根気よく知人にお願いしながら、リリース後1ヶ月経ったとき、初めてユーザーからの質問が届きました。(神祇不拝とは)。このときは本当にうれしかったですね。家族に無理言って、給料からサラリーマンとしては結構な額のお金をこのサイト開発に使わせてもらっていたので、足かけ1年の苦労が報われたと嬉しすぎて涙が出た。
その後、井上さんの知人の僧侶の方に新たに参加いただき、12月末には回答者が12名に増えました。こんな初期段階でリスクを冒して回答者登録いただいた12名の僧侶の方には心から感謝をしています。
素晴らしく仏教的な回答をもらえるサービスとして
その後少しづつ知人ではないユーザーの質問が入りだしました。質問の内容も、お墓のこと、因果応報とは、不妊の悩みなど、多岐にわたってきました。
最初に回答者登録いただいた、川口さんと浦上さんの回答が素晴らしく、真摯に向き合うよう答えてくださり、仏教的な面でもクオリティの高い回答で、お二人の回答がhasunohaの方向性を固めていきました。
このお二人の回答を読んだ方からも「素晴らしく仏教的な回答をもらえるサービス」として、僧侶の方にも広まり始めたように感じます。
川口さんの回答に「彼からプロポーズされた」
少しづつ認知され始めたhasunoha。
リリースして3か月経た2013年2月。ある女性からの恋愛相談が舞い込みました。川口さんの回答に耳を傾けたその方がアドバイス通りに恋人と話し合ったところ、「彼からプロポーズされた」とお礼欄に報告がきたのです。
1人の方の人生に関わり、一つのカップルの幸せを手伝うことができたことは、今でも一番嬉しかったこととして残っています。億万長者にならなくても、これでもう十分じゃないか、後は悔いなく精一杯生こうと。
10代の方からの初めて質問が来る
2013年7月には、初めて10代の若者から質問がきました。10代の子がネットでお坊さんにわざわざ質問をする。いろんな選択肢がある中でhasunohaを選んでくれたことで、サイトの可能性を感じました。
このころに尼僧さんが回答者として参加いただき、回答者が35名になりました。
毎日新聞の震災特集の中で掲載
2013年11月には、毎日新聞全国版で「震災と宗教が果たした役割」という大特集の中で、震災をきっかけに生まれたサービスとして紹介され認知度が上がりました。このあたりからブログやネットのニュースなどで紹介いただくことがでてきました。
質問が来ないことが功を奏した
こうして少しづつ質問が来るようになり、知人にお願いしなくてもサービスのコンテンツが少しづつでも増えていくようになってきました。ここまでは回答するお坊さんの方が質問者を待っている状態だったので、質問がきたらみなさん1、2時間で数件の回答をいただくような素晴らしい回答率を誇っていました。これが功を奏して今でも質問に対する回答率は99%以上という風土が出来上がったのです。
みんなお坊さんにどんなことを質問しているのか
最初は、お坊さんに質問なんて想像もできないと言っていた人たちが質問をしだしました。
どんな質問が多いのでしょうか。それが結構意外な結果だったのです。それは次の投稿に続きます。
コメント
神祇不拝の質問者のナツツバキです。いや~あ、涙流して喜んでもらえたなんて、こっちこそ望外です。読んでもらえればわかるように、協力半分いじわる半分(お坊さんを試すような)の質問でした(笑)。もっと真宗僧侶の回答があるかと思ったのですが、他宗の人もまじめに回答してくださいましたね。このときの浦上さんの回答は本当に秀逸で、「表敬訪問」のフレーズはいまだに重宝してます(笑)。